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(Revenge of the)United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

穴馬短距離走者

 先日書いたジョージ本の記事で「スプリンターの1stを聴いてみたい」と書いた私ですが、ブログを読んだSOさんが何とスプリンターとアティューズのCDを送って下さいました。本当にありがとうございます。いつも頂くばかりで本当に申し訳ない…。

 

 せっかく良い物を頂いたので、Splinterのアルバム『The Place I Love』全曲のレビューをしてみたいと思います。

 Splinterのシングル「Lonely Man」 (問題の中村雅俊作詞の日本語バージョンも収録)と、Attitudesのプロもシングル集も頂いたので、そちらは機会を改めて。

 

 

The Place I Love / Splinter

 ジョージのプロデュースによるダークホース・レーベル第一弾。

 ジョージは全曲にギター、キーボード、パーカッションで演奏参加。 録音もジャケットもフライアー・パークと、まさに全面的なバックアップ。新人デュオのスプリンターもそれに応えるように良い曲を書いている。

 フォーキーなAORという、当時のジョージの志向とも重なる音楽性(プロデュースしたんだから当然か)。ところどころジョージっぽいメロディがでてくるのも不思議。間違いなく佳作なので、再発すべきです。

 

1.Gravy Train

 イントロのギターカッティングとピアノの絡みが『太陽にほえろ』を髣髴とさせる、軽快なロックンロール・ナンバー。ブラス・アレンジがバッチリ決まっている。アウトロの激しいソロはアルヴィン・リーかな。

 

2. Drink All Day (Got To Find Your Own Way Home)

 美しいアルペジオと渋いドブロの絡みが印象的。クラウス・フォアマンはアコースティック・ベースを演奏、ジム・ケルトナーの軽やかなスネア捌きと絶妙なコンビネーション。穏やかでフォーキー。

 

3. China Light

 ちょいスペクター・サウンド入ってるアレンジ。重厚なピアノはゲイリー・ライト。ジョージが歌っても似合いそうな繊細なメロディ。極力ピッキングせずにサスティンで色付けするジョージのスライドは、既に76年以降のダークホース期の音。

 

4. Somebody's City

 ジョージの鋭いチョーキングで始まるミディアム・ナンバー。これまたアコギの重ね方がちょっとスペクター風。ギターの音がジョージ自身のソロではあまり聴けない音なので新鮮。やっぱり曲によって適材適所の音・フレーズを持ってくるプロデューサーなんだな、と改めて実感。

 

5. Costafine Town

  全英17位というヒットを記録した先行シングル。リード・トラックだけあってグッド・メロディの名曲。下の動画では弾き語りだが、音源はドラマティックな仕上がりになっている。

 普通ならストリングスを使いたくなるようなキャッチーなメロの曲だが、エコーの効いたピアノとジョージ自身が弾くベースの重ね録り(普通の4弦ベースと、何と8弦ベースとの記述。Cheap Trickのトム・ピーターソンが使っていたようなモデルだろうか?)でボトムを強調してサウンドを強化し、アコーディオンのフレーズでドラマティックに仕上げているのが絶妙。

 サビが転調するという自身の曲では殆ど使わない手法が出てくる曲だけに、これでストリングスを入れたらトゥーマッチで安っぽくなるとジョージは判断したのかな。この辺りの感覚はビートルズ的だなぁ、と思う。


SPLINTER -- Costafine Town - YouTube

 

6. The Place I Love

 ジョージのスライドと、ゲイリー・ライトのエレピが印象的なカントリー・フレーバーの曲。線の細い歌がサウンドに合っている。

 

7. Situation Vacant

 『Extra Texture』期のジョージのようなAOR+ソウルなバラード。随所に織り込まれるジョージの手癖みたいなフレーズにもニヤリ。これまたブラスのアレンジが決まった良い曲。サビの合いの手ヴォーカルはジョージかな?

 

8. Elly-May

 フォーキーなアコギとコーラスワーク中心の曲に、モーグシンセサイザーがアクセントになっている。弾くのは勿論P.ロデューサー氏。ポップ・ミュージックにシンセを取り入れた張本人のうちの一人だけあって、その使い方も実に的確。

 

9. Haven't Got Time

 ここまでセンシティブでメロディの綺麗な曲が並んでいたのに、ラストはシャウトするロック・ナンバー。間奏ではトロンボーンがソロをとり、アルヴィン・リーの歪んだギターが唸りをあげる。なかなか意外な終わり方だった。