(Revenge of the)United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

Dislocation

 先日、夜遅くに上野の某所を訪れた際、いつものように散歩でもして時間を潰そうかという事になった。

 駅から程近いその場所へと歩いたところ、入り口にスマートフォンを凝視するサラリーマンが数人立っている。意に介するでもなく進んでいくと、暗闇の中に突然人の塊が現れた。全く予期せぬ人混み、それは「突然」と表現するしかないくらい前触れ無く存在していた。

 進めば進むほど人の波は勢いを増していく。灯りも不十分で、激しい通り雨が上がったばかりの足元はぬかるんでいる中、その人々は一斉にスマートフォンを凝視したまま、何かに導かれるように足早に何かを目指し始めた。

 まさかこんなに多くの人がこの暗がりに潜んでいたとは知らなかった我々は、その静かに猛る群集に巻き込まれぬよう神経を尖らせつつ、ただただ困惑するしかなかった。

 そう、人々はあの位置情報ソーシャルゲームのプレーヤーであったのである。

 

 あの位置情報ゲームが、一夜にして日本の風景を変えた気がした7月の終わり。ツイッターのトレンドは丸一日以上独占され、私の周囲でもプレイし始める人が多数。あの狂騒の日々に比べれば、8月に入って少し沈静化してきた印象だったのだが、そんな中で向き合う事となったあの光景。件のゲームのブームの凄まじさを、初めて実感した出来事であった。

 予め記しておくが、楽しんでいる方々を腐す意図は全く無い。これだけは断言しておきたい。だが、今回目撃したあの光景は、プレイしていない人間からすれば少し恐怖を感じたのは事実だ。単純に、多くの人々が足元や周囲を見ずに移動するのは、危険な事だと思うのだが…。

 

 元々、このゲームの元となったコンシューマーゲームに関しては、若い世代の友人達と話をする時にどうしても隔たりを感じるトピックであった。自分はこのゲームのプレーヤー世代ではないが(勿論、プレイしていた人間はいた。例えば我がバンドの元ヴォーカリスト等)、私より若い男性なら当然幼少時に触れた事がある共通事項であるらしい。

 そういった年代と話す時に常々このゲームに対する認識でギャップを感じており、そういった話題になると私は黙ってしまう他無かった。その時は「当然知っているであろう基礎知識すらわからないオジサン」と化してしまい、何とも気まずい思いをしていたのだ。

 問題は、今回の位置情報ゲームを私と同年代、もしくはそれ以上の世代が夢中になってプレイしている事だ。これは、自分にとってはかなりの驚きだった。

 例えば、登場するモンスターの名前を出すなり、その特性を言うなりと、そういったリアルタイムの世代ではなくとも今プレイしている人は、若い世代ともこれで一気に距離を縮められるかもしれない。だが、私は更に全方位から取り残されていく事になる。若干、焦りのようなものを感じたりもしているのだ。

 

 と、ここまで書いてきて思ったが、音楽に目覚めた小6以降は自分の好きなものしか追いかけない嗜好の人間になってしまったので、元々同年代やそれに近い年齢の人々とも殆ど話が合わないのであった(ジャンプを読まない、ドラクエ・FF・任天堂関連などの人気ゲームをやらない、流行っているTV番組を観ない、etc...)。今更ジタバタするような問題でもなかったので、これからも話題に取り残される事を特に気に病むこと無く生きていこうと思う。

 プレーヤーの皆様も、周囲に迷惑をかける事無くゲームを満喫して頂きたい。ゲームの方式自体は私自身も非常に魅力的に感じているし、新たな可能性を秘めていると思うのは偽りの無い本心である。それでも、暗がりでスマートフォンを見ながらダッシュするのは危ないと思うよ、やっぱり。