(Revenge of the) United Minds

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On Air - Live At The BBC Volume 2

 報告が遅れましたが、先週ようやく入手しました。

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  正直な感想としては、「奇跡の発掘!驚愕の一枚!」といった作品ではありませんが、肩肘張らずに楽しめるアルバムだと思います。

 

 前作ほど未発表のカヴァー曲が多いわけではないし、ジョージやリンゴのリード・ヴォーカルも少ない。アンソロジーが出た今となっては既発曲のアウトテイク的な楽しみ方もちょっと弱い気がします。続編なので新鮮味も薄い。間違ってもビートル初心者が買うような一枚ではなく、あくまでファン向けアイテムといったところでしょう。

 

 とはいえ、音質自体はマスタリング技術の向上もあって前作より良いような気がします。録音日によってばらつきがあるのは仕方がないですが、それを含めてもその印象は変わりません。

 何より、演奏に勢いとグルーヴがある。まだ若いので技術的には未熟なところも目立ちますが、ロックンロールはテクニックが全てではありません。若々しいノリがとても魅力的。

 完全未発表曲の「I'm Talking About You」と「Beatiful Dreamer」はどちらも最高。音質は粗いですが、歌も演奏も瑞々しくて素晴らしい。

 ジョージ・マニアとしては、ヴァース後からいきなり飛ばしまくっている「Do You Want to Know a Secret」がライブ感があってお気に入りです。

 

 せっかくインタールードにお喋りが挿入されているのですから、私はあくまでラジオ番組としてこのアルバムを楽しむ事にしています。ほら、タイトルにも「On Air」とあるではないですか。

 60年代初頭のイングランドのどこか(『Somewhere in England』)の、小さなベッドルーム。親に内緒でラジオにかじりつきながら、港町から出てきた訛りのきつい4人組の男たちが奏でる、蒼く荒々しくも夢見るような曲の数々。そんなアイドル時代の若々しいビートルズのラジオ番組を、必死で聴いているティーンエイジャー。そんな設定を頭の中で思い描き、当時の空気を追体験するのです。

 そうすると、音質のバラつきも全く気になりません。「おいおい、ちょっと電波の入りが今日は悪いぜ。でもウチじゃラジオ・ルクセンブルクは全く入らないし、我慢するしかないな!」くらいの事を呟いておけばいいのです。

 

 そういう楽しみ方を見つけたので、このアルバムはとても好きな作品になりそうです。まだ通して聴いた回数はあまりないのですが。