(Revenge of the) United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

This Guitars (Can't Keep from Singing)

 最近はジョージの命日や誕生日に更新することもなくなってしまいましたが、今年は久々に。新ブログに移転してから初めて迎えるジョージの誕生日ですからね。

 

 今更こんな事を語るのもどうかと思いますが、私がジョージを好きな理由は幾つもあります。その一つに、ギタリストとして唯一無二のフレージングとトーンを持っている事が挙げられます。

 いわゆる楽典的・理論的なテクニックをもってして「ギターの上手さ」を語る事に異論はありませんが、ジョージのギターの魅力はそういった点を超越したところにあると思っています。

 簡単に言ってしまえば、私が「良い」と思う音楽のツボを突くのが最高に「上手い」ギタリストです。その点では、間違いなくトップに君臨しています。

 

 先日の先輩方との会合で、SOさんからジョージの全参加音源コンピレーションを頂いた事は述べました。

(追記)SOさん曰く、まだ完全版ではないそうです。コンプリートには数曲が欠けているとメールでご指摘頂きました。

 年代順にインデックスした曲番号とブックレット。参加内容や担当楽器まで細かく書き込まれ、私が所有していそうな曲はアウトテイクに差し替え済み。更に数々の関連楽曲がボーナストラックとして付属。執念すら感じる完璧な編集。本当に頭が上がりません。

 せっかくこのような音源集を頂いたので、このCDも参照しつつ、今回はジョージの参加音源での名演を10曲挙げてみようと思います。あくまで私の好みの問題なので、異論は受け付けません。ただし何かご意見があればお聞きします。

 どうしても思い入れや思い出の補正が強くなってしまう事を、予めご了承ください。順番は、発表した年代順です。

 

 以下、続きから。

 

 

 

Ten George Works

 

Gimme Some Truth / John Lennon

 ジョージの参加作品では一番昔に聴いた作品かも。張り詰めたようなフレーズ、スライドのトーンも完璧。「How Do You Sleep?」の鬼気迫るソロもいいけど、こっちを選出。

 息子のダーニが、この曲のカヴァーでジェイコブ・ディラン(勿論ボブ・ディランの息子)と共演したのも記憶に新しい。もしかして、カヴァーのスライド・ソロもダーニなんでしょうか?だとしたら決して親父に負けてないなぁ。

 ちなみに、ダーニとジェイコブは父親同士が大親友かつウィルベリー兄弟なので幼馴染らしいですね。LAにてウィルベリーズのレコーディング中、盛り上がってなかなか録音を切り上げようとしない親父共を尻目に、二人でファミコンに興じていたと聞きます。

 

Day After Day / Badfinger

 Badfingerのヒット曲。ソロに関しては基本的にメロディをなぞってるだけですが、トーンが良い。何といっても二番から入ってくるオブリ!昔から大好きです。弟分ピート・ハムとのユニゾンというのも泣かせる。

 誰かがネットのどこかで言ってたけど、「ジョージのギターソロは下手だけど、オブリはロック史上でも屈指」という意見。決して同意はしないけど、頷いてしまうところはあるかも…。

 このアルバムは間違いなく名盤ですが、ジョージからトッド・ラングレンにバトンタッチしてプロデュースされたというのも非常に豪華。メンバーはトッドの方のプロデュースはあまりお気に召さなかったみたいだけど…ややオーバー・プロデュースと感じたんでしょうか。聴いている方からすると文句無いのですが。

 

If You've Got Love / Dave Mason

 『All Things Must Pass』にも参加したギタリストと再び共演。冒頭からもろにジョージ印のスライド。カントリーの香りも感じる大らかなアメリカン・ロックながら、女性コーラスがやたらソウルフル。そのギャップがいい名曲。

 アウトロの掛け合いソロが軽やかで気持ち良いのですが、これの片方がジョージでなかった場合赤っ恥なので、これ以上触れないようにしておきます。メイスンの一人録音って事はないだろうけど…Rから聴こえてくるソロはジョージっぽいんだよなぁ。

 

Basketball Jones / Cheech y Chong

 カナダ出身のコメディアンのネタの後ろで、ひたすらギターを弾いてます。基本的にセッション・ワークではワン&オンリーのスライドを請われる事が多いようですが、ここでは普通のギターソロ。これだけ終始弾いてるジョージはちょっと珍しいかも。

 

Far East Man / Ron Wood

 ストーンズとしての来日を控えている、ロン・ウッドの1stに参加しこの曲を共作。説明不要の名曲です。

 自身のバージョンよりもスライド弾きまくり。歪んだトーンで、激しくハイフレットから駆け下りるような動きも聴かせてくれます。ロニーのギターとの絡みもまた良し。

 

Wrack My Brain / Ringo Starr

 リンゴへの提供曲・演奏参加は多いですが、個人的にはこれが一番好きです。シングル向きのキャッチーなメロディーに、この時期のジョージらしいボコーダーを使った明るいアレンジ。

 ソロは否スライド。フレーズを幾重にも重ねて印象的なものを前面に出す…というビートルズ時代にもやっていたやり方。特にこのソロのチョーキング、いかに自分がジョージに影響を受けているかを痛感します。自然に似たようなフレーズが出てきちゃうんだよなぁ。

 

The Children of the Sky / Mike Batt

 転調の多いドラマティックな展開、ストリングスをフィーチャーした壮大なアレンジ。ジョージ自身の曲ではあまり聴けないような曲調ながら、切ないスライドソロが冴え渡る。1985年の作品ながら、低音弦の音が既に『Cloud Nine』(1987年)してます。

 

Love's a State of Mind / Sylvia Griffin

 ネット検索してみたところ、シングルのみのリリースでとてもレアな音源だとか…ソロはないですが、ジョージ以外何者でもないスライドの音色が全編に渡って曲を彩ります。全体的な音は完全にレイト80'sながら、メロディ自体は60'sの香りがするポップな曲。

 

Leave a Light on / Belinda Carlisle

 個人的には、外部でのセッション参加曲でのソロの完成度では、この曲が一番好きだったりします。「ジョージらしく弾いて!」と請われて弾いているのがよくわかる派手なスライドですが、だからこそとてつもなくわかりやすくキャッチー。ちょっと長めなのも、音色を堪能できて良いです。

 この曲を最初に聴いたのは、今住んでいる街にある図書館でのレンタル。あまりにもこのソロが好き過ぎて、一日中口ずさんでいた事があります。友人からは「遂におかしくなったのかと思った」と言われましたが…。

 

Punchdrunk / Rubyhorse

 アイルランド出身のバンド。ジョージにマルチテープを送り付けたら、スライドギターがダビングされて返って来た…という嘘みたいな逸話のある楽曲。

 私の中の思い入れではこれが一番です。ジョージの死後に彼らのアルバム『Rise』をHMVの通販で買い、この曲のスライドのジョージらしさに思わず涙しました。ソロはないけれど、シンプルながら歌を最大限に活かし盛り上げる適材適所のフレーズ。私が何故ジョージの弾くギターが好きなのか、この曲に全て詰まっていると言っても過言ではありません。

 勿論、曲自体の良さがあってこその感動。収録アルバム自体も素晴らしい作品でした。Wikipediaによると、彼らは2005年に解散してしまったようです。残念。