(Revenge of the) United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

Three Men Standing

 衝撃のニュースだった。2日前にその演技を見た人が、突然逮捕されたのだから。

www.huffingtonpost.jp

 音楽界以上にサブカル界激震といったまさかの逮捕劇で、相棒である卓球氏がほぼ休む事なくツイッター上で話題を提供し続けている事もあり、1ヶ月経った今でも全くその余波が収まる気配を見せない。
 あくまでツイッターをチラ見した印象でしかないが、ネット世代のユーザー達の意見は「瀧は薬物の被害者! 旧態依然としたマスコミと卑劣なマトリにNoを!」というような方向で固まっているように思える。
 私は逮捕を知った際、このようなツイートをした。

 これは、彼が関わった多くの人々がこの直後から対応に追われ、事態収拾に心を砕かなければならないであろう事、そして現在進行形で多数のドラマ・映画・ゲーム等に出演していた瀧氏自身が今後負うであろう賠償金。どちらも決して軽いもので収まるとは思えず、両者の立場を慮ると心穏やかではいられなかった、そういった意味で「ショック」だと書いた。
 もはや、瀧氏は電気グルーヴのメンバーの一人というだけではない。演技を重ねるごとに評価を上げ、様々なタイプの脚本で必要とされるようになった俳優でもある。そしてそれは、ミュージシャンとしてだけ活動していた頃より、多くの責任を負うものになってしまっている。
 例えば、私がよく知る『VOXXX』あたりまでの頃に起こった事件ならば、卓球氏(それ以前ならばまりん氏も)やキューン関係者だけへの迷惑で済んでいたかもしれないが、もう時代は変わってしまった。
 個人的には、ピエール瀧という人物に悪いイメージはない。卓球氏の無軌道な話題に迷わず付いていける頭の回転の速さや、「富士山」「ポパイポパイ」などで見せたライターとしての個性、そしてついこないだまでハリマヤ足袋の親父役として堪能していた演技力など、とても魅力的な人物である事は間違いない。しかし繰り返しになるが、彼の世界は電気の活動に専念していた頃より遥かに広がっているのである。
 今後の動向を注視したいと思う。

 

 

jefunited.co.jp

 ちばぎんカップにて、エスナイデル体制の初陣を観た時の衝撃は忘れられない。サッカーを観ていてあそこまで驚いたのは近年では稀。
 前線から猛烈なプレスで相手を追い、最終ラインをハーフウェイラインを超えるくらいに上げて攻め続けるという先鋭的すぎる戦術。案の定、その試合では浅すぎるラインの裏を突かれて敗戦したが、同時に心の中では快哉を叫んでもいた。
 J2降格後、ポゼッションサッカーを志向しボールを保持する時間を増やしたジェフ。だが引いてくる相手が多い事もあり、攻めあぐねている間に鋭いカウンターを食らって負けるケースばかり。綺麗にパスが繋がれば良いのだが、実際には漫然としたパス回しで観ていても退屈な事が多く、はっきり言ってこの手のサッカーには飽き飽きしていた。
 そんな数年間を過ごしたからこそ、エスナイデル監督のサッカーには期待させるものがあった。長らく続くJ2での停滞を、この極端な戦術で吹き飛ばしてくれるのではないかと。
 しかし現実は甘くなく、初年度こそ終盤の劇的な連勝で昇格プレーオフへの滑り込みを成功させたものの、2年目以降は大量失点の連続。浅いラインでお行うギャンブルめいた守備のオーガナイズは最後まで為される事はなく、遂に解任という結果へと行き着いてしまう。

 元々、違約金を問題として今シーズンもエスナイデル監督の継続が決まったわけで、ここで江尻コーチの昇格以外の選択肢がなかった事は容易に理解出来る。昨年の最終節、千葉市内のラーメン屋にて名も知らぬジェフサポーターの方々と「次はユン・ジョンファンが良いですね」などと言葉を交わした事もあったが、それが現実的に厳しい状況であることは百も承知だった。

jefunited.co.jp 江尻氏は、J2降格初年度以来の再就任となる。指導者として成長したであろう「初代ミスター・ジェフ」の指揮を、ともかく支持するだけだ。

 

hochi.news 携帯電話へのニュース通知で知った訃報。この時が訪れてしまったか、という感。
 大学に入るまではビジーフォーの物真似か、ほりのぶゆき作品でネタにされていた事くらいしか裕也氏に対しての知識がなかった私だが、熱っぽく彼の事を語る友人によりイメージも刷新されていった。
 厄介なおじさんではあったが、自らの行動によって全てを変えていく人という印象がある。とにかく自分が率先して動く。ヒット曲がなかったり、裕也氏名義でのリーダーアルバムが殆どない事で音楽的成果がないと断じるむきもあるものの、その才はむしろプロデューサーとして活かされたように思う。それは音楽でも映画でも同様だ。

blogos.com

natalie.mu

realsound.jp

 印象的なエピソードは幾つもあるが、一番忘れられないのがローラと対面した時の事。
 「ハーフタレントゆえの奔放で無礼な物言いが売りのローラに、怒りっぽく頑固なロックンローラーをぶつけたらどうなるか?」という制作側の意図があまりにも露骨な企画で、私は一部始終を見たわけではない。それでも、かなりのインパクトある記憶として私の中に残っている。
 ローラと対面した裕也氏、挨拶を交わす前に突如人差し指を振りかざしながら、こう歌い始めた。
バングラ・デシュ! バングラ・デシュ!」
 勿論、ジョージ・ハリスンバングラ・デシュ」の一節である。
 ローラの祖国がバングラデシュバングラデシュといえばジョージ→だから歌う、というビートルズにリスペクトを捧げ続けた裕也氏の単純な連想ゲームなのだろうが、もしかするとこんな思いも込められていたのではないか、と勝手に深読みしてしまう。
「忘れるな! お前の母国バングラデシュのためにビートルズのメンバーが立ち上がった事を俺はOBOETEIRU!!」
 NYWRFの志は、誰かが受け継ぐのだろうか。今はただ合掌するのみ。Rock'n'Roll!