Say Hello to The Good-Bye
きっかけは思い出せないが、間違いなく別の件で何となくツイート検索をしていたのだと思う。
「The Good-Bye」の30年ぶりの新譜アルバム「Special ThanX」の発売が決定しました。https://t.co/hZwO9432zL
— 曾我泰久staff (@sogastaff) 2019年7月11日
ツイートの大河の中から行き着いた曾我氏のツイートには、信じ難い文言が記されていた。
The Good-Byeが、まさかの30年ぶりニューアルバム発売。リリース日発表から1ヶ月近くが経過していたが、ひとまず発売日の前に知る事が出来た。特にここ10年、こういった驚くべき情報をかなり時間が経ってから知って後悔する事ばかりなので、今回はしっかり間に合った事に自分でも驚いている。まるで引き寄せられたかのようだ。
実は、新作発表は青天の霹靂と言う程には唐突なニュースではなかった。2013年に加賀氏が旅立った直後、野村氏が自身の公式サイトで制作を明言していたのである。
あとね、アルバムを作ります。
僕らの予定通りに”The Good-Bye”の10枚目のアルバムは作ります。
でも、すみません。 曲が作れないんです。
バンドでデビューして30年。どんな時でも色々なイメージが湧いて来て、それを形にしてメンバー、そしてスタッフ、完成した物をファンのみんなへ。
今も曲作り中です。
それが僕の仕事ですから。
でも”The Good-Bye”の曲が作れないんです。
戦ってます。
自分と戦ってます。
バンドと戦ってます。
しかしこの発言から既に6年。引用した文中でもわかる通り、個人ではなくバンドとしての曲作りにかなり苦戦している事がストレートに綴られていた。2013年の30周年記念ライヴが「最後になるかもしれ」ないという発言も含め、加賀氏との永遠の別離だけが原因でない苦悩がありありと伝わってきた。
だからこそ、今回の発表には心底驚いた。ニューアルバム発売の報自体が衝撃的だったのではない。制作開始から数年の時を超え、歩みは速くなくとも本当に10枚目の新作完成を実現させた3人に驚嘆したのだ。
野村氏の懊悩煩悶の日々も、見事こうして音盤に結実したわけである。ライヴに対するネガティヴな発言もどこへやら、無事に35周年ライヴが決まっている。
THE GOOD BYE 35th ANNIVERSARY CONCERT TOUR 決定!
しかも、新作発売直後のギグなのだから、“レコ発ライヴ”という意味合いも帯びてくる。これは間違いなく解散前の現役活動中以来の事であろう。
私がファンになった2004年のリマスター再発から早15年、まさかこんな日が来るとは思わなかった。
この手の大事な情報を取り逃がしがちな私ですが、今回は偶然のツイート検索から知る事が出来ました。残念ながらライヴは行けませんが、こちらは即予約済み。私にとってのThe Good-Byeの“ハジニュー”(初めてリアルタイムで触れるニューアルバム)、期待してます。
— ミカ・ラウド (@MicaLaud) 2019年8月10日
既にツイッターで触れた通り、新作『Special ThanX』は私にとってThe Good-Byeの“ハジニュー”となる。
これが更新される日が来るとは。良くも悪くも人生はわからない。
気になるのは収録曲だが、野村‐曾我コンビのものが中心になるのは当然としても、“もう一人の男”のペンによる作品も録音していてほしいと思った。彼らがリスペクトを隠そうとしないThe Beatles同様に、看板ツートップ以外のメンバーの楽曲も作品中において重要な役割を占めてきた。それがバンドの特色でもあったのだ。
勿論、その人物はこの世を去ってしまったのだから書下ろしというわけにはいかないが、バンド解散後に書いた曲や、それこそデモの形で遺されたものをバンドとして完成させてほしいと図々しくも考えたのだ。
だが前述の通り野村氏の苦悩も知っていたから、そこまでの余裕はないのだろうと心のどこかで理解してもいた。新作が出るだけで十分、そう自分を納得させもしていたのだが…。
収録曲がユニバーサル(ビクターでないのが驚き)の公式サイトで発表され、私の瑣末な想いも氷解した。やはり4人でThe Good-Byeである、と残されたメンバーが力強く宣言しているかのようであった。タイトルのせいでクリックしていなかったこの記事でも、このトピックは紹介されていたようだ。
加賀さんが12年ごろに作曲して残していたメロディーに野村が歌詞を付けた「Blue」など、書き下ろしの新曲10曲を収録する。レコーディングは、野村が加賀さんの愛用ベースを演奏して行った。
夫人の池沢理美氏がデモテープを蔵出しし、メンバーに託したのであろうか? ますます『Special ThanX』が手元に届くのが楽しみになってきた。
『レコスケ君』の作者であり、ジョージ(・ハリスン)ファン&The Good-Byeファンの偉大なる先輩である本秀康氏も、かなり盛り上ってきているようだ。
このあいだ、「グッバイの新譜送るよ」と久々にやっちんから電話があって、久々すぎてしどろもどろになってしまい「買うからいらない」の一点張りの意味不明な対応をしてしまい、電話を切って落ち込んだ。ザ・グッバイ30年ぶりの新譜『Special ThanX』、心から楽しみだ!
— 本秀康 (@motomotohide) 2019年8月16日
ザ・グッバイ『Revolution No.9』は超名盤!LPはない。 pic.twitter.com/DpvE8HALT0
— 本秀康 (@motomotohide) 2019年8月16日
別のビートルズネタを元にしながら偶然4色が揃った、RYUTisとThe Good-Bye pic.twitter.com/F5tfIlyMtw
— 本秀康 (@motomotohide) 2019年8月16日
個人的に来週は少々立て込んでいるので、発売日に受け取るのは恐らく難しいと思うが(そもそもちゃんと日付通りに届くとも思えない)、いずれにせよその時をじっと待つのみである。
今回この記事を書くにあたり、過去の作品やネット上にアップされている動画のチェックを行っていたところ、当ブログ開設当初に書いた記事に重大なミスが生じている事に気付き、追記を行った事も報告する。
ファン失格と言っていいほどの由々しき見落としだが、6年越しでようやく間違いに気付けたわけだ。今後も放置され続けるよりは良かったと思いたい。これも新作リリースというサプライズのお陰である。スペシャル・サンクス。