Just to listen, Just to listen
最近聴いたものの中から、気になったものをピックアップ。
"Twist Pop Sin" Rubinoos
日本盤はライブ録音が付いての2枚組という事で、喜び勇んで買ったのですが…ライブはライン録音ですらないオーディエンス録音並の音質で、これはブートなのかと本当に驚きました。結局こっちは全然聴いておりません。多少音が悪い程度なら気にならない程度の私の耳ですが、さすがにこれは一体どんな機材で録音したのか気になる… まだギリギリRoland R-09も発売されていない頃かな? 当時、そっちの制作業者の方から内緒の話を聞いた事を思い出しました。
アルバム自体はいつものRubinoosといった感じ。最後の「Go Go Go Tokyo」のコーラス構築が良かった。
"Western Skies" Roddy Frame
ソロ名義の2nd作。かなりシンプルな編成でじっくり歌とアコースティックギターを聴かせる構成。勿論悪くないのですが、当然ながらバンド・サウンドではないのでパンチもなし。曲は渋くて良いし、Roddy節をピュアに楽しむという意味では悪くないアルバムですが。
ただ、Roddy本人のものと思しきサインがジャケットに入っていて、あまりレアぶりに内容の事をどうこう言う気もなくなります。
買った時には気付かなかったけど、これはロディの直筆なんだろうか…。 pic.twitter.com/kpGbsCpK2Z
— ミカ・ラウド (@MicaLaud) 2020年2月18日
前の持ち主は、こんなに気軽に手放してしまって大丈夫なのだろうか…。
Amazonのレビューによれば、ソロ3rdは更に一歩先に進み、完全に弾き語りアルバムになったようです。
(2017年発売と表記されているので新作かと勘違いした)
Aztec Cameraの名声から離れ、どんどん内省的にレイドバックしていったようなRoddyの作品。なるほど、最新オリジナル作『Seven Dials』が往年のファンから熱狂的に迎えられたのも理解出来ようというもの。
この作品は私も大のお気に入り作品で、勿論今でも聴き続けています。
Aztec Cameraも坂本教授プロデュースの『Dreamland』辺りはもう完全にソロ寄り路線なので、この作品がいかにフレッシュで若々しい魅力に溢れていたか、少しは理解出来ているつもりです。渋いRoddyも良いけど、やはり私はこっちの方向が好きですね。
"Gift from Fanks T" "Gift from Fanks M" TM Network
幻の未発表曲が収録された『T』の方だけ買うつもりでしたが、結局両方購入してしまいました。まんまと乗せられたなぁ…いずれ改めて記事にします。
"Happy Ending" 大滝詠一
"最後のソロアルバム”と銘打たれた作品。毎年リリースされる怒涛のナイアガラ商法、一応買いましたが今までのリリースの中では一番内容が薄かった…晩年のリリース曲に、明らかに作りかけのデモと井上鑑ストリングスで何とかアルバムにまとめた感じ。あんまり苦言めいた事を言うつもりはないのですが、さすがに水増し感が強いです。
シングルヒット「幸せな結末」はヴォーカルとストリングス(新録?)だけのドラマティックなアレンジで「(Album ver.)」とヴァージョン違いをアピールしたかったのでしょうが、悲しいかなヴォーカルの後ろの原曲のバックトラックが全然消えてない…さすがに大滝氏もこれは怒るんじゃないでしょうか。
レベルが全く違う私事で非常に恐縮ですが、ここ数年で過去の自分達の作品のリマスター&リミックスを行った際、ヴォーカルやコーラスの後ろに余計な音がかなり入っている事に気付き、何とか除去しようと試みましたがどうにもなりませんでした。当時、いかに歌録り環境に無頓着だったか今更ながらに猛省したものです(正確には、自分達のリードヴォーカルだけは気を付けていたのでちゃんと録音出来ているが、コーラスやゲスト・ヴォーカルにしっかり雑音が乗っていた)。
話を戻して『Happy Ending』の「幸せな結末 (Album .ver)」、完全にそんな感じの音の残り方なんですよね…思わず自分が作業していた時の事を思い出してしまいました。自分の低レベルな録音と重ねる事自体、あまりに失礼な事だというのは重ね重ね承知していますが。
さすがに、もう蔵の中にも何も残っていないんでしょうね。来年は『A Long Vacation』の40周年記念エディションを発売するようですが、未発表曲をリリースするのもこれが最後かもしれません。
"Long Distance" Ivy
本当に久し振りに彼らの作品を購入。調べてみたら2007年にアルバムを一気に3枚入手して以降、それっきりだったらしい。ついこないだみたいな感覚なのに、もう13年前ですか…本当に嫌になりますね。
取り立てて音楽的にどうのというのはありませんが、とても良い作品でした。やはりこのバンドの作品は安定した心地良さがありますね。正直言って、今まで聴いたIvyの作品の中で一番好きです。日本盤ボーナストラックでThe Blow Monkeys「Digging Your Scene」のウェルメイドなカヴァーを収録しているのも嬉しい。バンドのカラーに非常に合っています。Paris Matchも同曲を取り上げていましたが、やはりお洒落系の女性ヴォーカリストには波長が合うのでしょうか。
今自分がどの作品を持っているかすらちゃんと把握していませんが、コンプリートしようかなぁ。やっぱり良いものは良いです。
"Forth" The Verve
(まだ広かった頃の)秋葉原タワレコ、もしくは(今はなき)錦糸町タワレコで試聴したのを覚えています。この時期、ブリットポップ期のバンドがいくつか再結成しており、どれも良作揃いでした。そのタイミングでThe Verveも復活と聞き、当然買うつもりで聴いてみたのですが…率直な感想としては「うーん、どうだろうこの路線は?」というものでした。
時は経ち、あれから12年。試聴機ではなく自室でしっかり聴けば印象は変わるのではないか? と思い入手したのですが、感じたのはあの時と全く同じ「うーん、どうだろうこの路線は?」というもので、自分の受け取り方には特に変化なし。
ただし、Amazonレビューを見て合点がいきました。元々彼らはサイケデリックなバンドで、この復活作は原点回帰と言える内容になっているとの事。『A Northern Soul』『Urban Hymns』の2枚で全てをわかった気になっていた私など、ニワカ中のニワカだったという事でしょうね。この方向性はフロントマンRichard Ashcroftというより(彼のソロはメロディ路線だった)、もう一人の中心人物であるギタリストのNick McCabeの意向が強いんだとか。
尺が長い曲が多くて、自分にはちょっとヘヴィです。聴きこんでいくうちに受け取り方も変わっていくのかもしれませんが、もうしばらく対峙する予定。ちなみに彼らの話題がこの作品以降入ってこないのが気になっていましたが、やはりと言うべきか3回目の解散をしていたようです。Kula ShakerやSuedeのように継続しての活動が出来なかったのは残念。
関係ないですが、Kula Shakerも最新作で遂にラーガ・ロックに原点回帰しましたね。『K 2.0』素晴らしい作品です。