A New Career in a New Town
例年よりシーズン終了がずれ込んだ事もあり、ジェフの成績を振り返る記事を年末に書いていませんでした。
昨年は珍しく"JEF United Chiba"カテゴリーの記事を2つも書きましたが、どちらも草創期のJリーグを振り返る後ろ向きなもの。つまりはそういうシーズンだったという事です。
以下、続きから。
昨年末にも書いた通り、個人的にも待ち侘びていた尹晶煥政権の1年目。
当然というべきか、魔法のようにいきなり良い結果が出るわけもなく。ひとまず3年連続の最低順位更新は免れましたが、J1昇格には程遠い14位という結果で終わってしまいました。
未曾有のウィルス禍という、Jリーグのみならずプロスポーツの歴史上でも異例の事態に見舞われた2020年。我がジェフの選手達にも感染が確認され、その度に危機を乗り越えてシーズンを最後まで戦い抜きました。ひとまず、それだけでも十分なのかもしれません。
それで全て済ませてしまっていいのかは、個人的に非常に気になる点ではあります。まず気になったのが、守備にプライオリティを置いて臨んだチーム作りなのに、終盤の失点で競り負ける展開があまりにも多すぎた点。何度ATで引っ繰り返される試合結果を見た事か。そして先制点を取られると、そこから抗う事が出来ない。逆転勝利はシーズン通してたったの2試合。この勝負弱さは明らかな問題です。
長期中断からの超過密日程を強いられた2020シーズン。尹監督はこのハードなスケジュールを乗り切るため、当初は完全なターンオーバーを採用していました。平日の試合と週末の試合のスタメンをほぼ総入れ替えし(絶対的守護神の新井章太を除く)、2チームの競争意識を煽る意図もあったようです。
体力のマネージメントは成功していたものの、実際には「試合に出られる」という選手の慢心を少なからず生み、どちらのチームも結果が出せなくなるという悪循環に陥ってしまいました。慌ててその時のベストな選手を採用する方向に修正するものの、今度はそちらでも結果が出せなくなり、体力的にも消耗していくという負のスパイラルに。そんなメンタル面から生まれたであろう問題が、もう一つの気になる点です。
とても印象に残っているのは、尹監督の「何が不安なのか、何が怖いのか分からないけれど、もっと自信を持って戦わなければいけない」という言葉。
このクラブがJ2陥落以降、ずっと抱え続けてきた病巣がこの発言に表れている気がして、何とも複雑な気分になりました。覇気の感じられないチームメイトに、GK新井章太がSNSで叱咤する内容の投稿を行い、物議を醸すという一幕も。
勿論、こういった行動には賛否両論あるでしょうが、ホームでの1-5の惨敗後なので多くのサポーターは賛同していたように思います。低調な戦いが続く中、一人別次元のプレーで気を吐き続け、常に敗戦に対し悔しさを露にしていた彼ならば、これを言う資格は十分に満たしている…というのが個人的な意見です。
シーズン終了と共に、偉大な3選手がスパイクを脱ぎました。
特にジェフのアカデミー出身であり、偉大なレジェンドである寿人が千葉を最後の地としてくれたのは、個人的には2020年のジェフで一番誇らしいニュースでした。
とても残念だけど、彼のような偉大な選手がキャリアをスタートさせたこのクラブで引退してくれた事は光栄。 https://t.co/fdEOni4sZA
— ミカ・ラウド (@MicaLaud) 2020年12月19日
明けて2021年。非常事態宣言下の関東地方。
シーズン到来を告げる恒例のちばぎんカップは中止となりましたが、今の所Jリーグ開幕に関しては延期報道が出ていません。
無事に契約更新された尹体制は2年目。補強に不安は残りますが(特にクレーベ、山下、ピニェイロが退団したFW)、何よりも昨シーズンからの上積みが望まれます。
ジェフというクラブだけでなく、全てのクラブがウィルスの脅威との戦いを継続しなければならない情勢下。今年もタイトロープ上の試合運営が続く事になるでしょうが、ひとまず無事にシーズンが終わる事を願っています。
昨年は過密日程で平日開催が増えましたが、それでも私は1試合も現地観戦出来ませんでした。どんなに事情があっても年に1試合は時間を割いていたので(臨海競技場時代は国立競技場開催のホーム試合を観戦していた)、全く試合に行けなかったのは恐らく2001年以来のような気がします。
今年はせめて1回はフクアリを訪れたいものですが、公私ともにそれが許される状況である事を祈ります。
この記事を書いていた今週、悲しいニュースが入ってきました。
偉大な名将であり、かつてのジェフ躍進の礎を築いた一人であるヨゼフ・ベングローシュ氏が亡くなったというニュースが入ってきました。ご冥福をお祈りいたします。
The former Czechoslovak player and coach who was the assistant coach during the winning EURO 1976 or bronze medalist four years later, Jozef Vengloš, has passed away in the age of 84.
— Czech Football Team (@ceskarepre_eng) 2021年1月26日
Rest in Peace. pic.twitter.com/MEzDdUPG6C