(Revenge of the)United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

ハジビー

 さて、昨日の記事で触れたビートルコレクター様のブログで、「最初に買ったビートルズ・レコード」の話を読みました。

 微妙にリアルタイムとずれている方だったので、なかなか興味深く読ませていただいたのですが、そうなると自分語りもしたくなってくるというのが人間の心理。

 というわけで、リアルタイムからは程遠く、かといって若者と呼ぶには無理のある私の、初めてのビートル体験の話を少しだけしようと思います。

 

 これが昨日本当に書きたかった記事です。さわりの部分が長くなってしまった。

 

 

 以前どこかに書いたかもしれませんが、我が父はビートルズのリアルタイマーで、あの時代に高校の文化祭でビートルズのコピー演奏をするという経験もしています(暗黒の高校時代を過ごしてしまった息子は、残念ながらこの点に関しては永遠に父を超えられない)。

 しかし、父にビートルズを強制された事は一度もありませんでした。それどころか、我が家でビートルズが流れていた記憶すらありません。恐らくは私が音楽に目覚めるまで、父は音楽そのものに興味を失っていたのだと推測されます。

 何せ、レコードプレーヤーはいつの間にか処分されており、しばらく我が家での音楽再生装置はソニーのラジカセしか存在しなかったのですから(ただし、かなり良い音で録れる代物でした)。

 

 さて、小学生の頃からピアノを習っていたものの、自らが聴く音楽には殆ど興味が無かった私ですが、TM Networkでついに音楽の自我が目覚めました。

 そんな体験から半年程度でしょうか。中学1年のある日、私は車内で買い物に行った家族を待っていました。確か、母の故郷に帰省していた時です。

 あまりにも退屈だったので、適当に音楽をかけてみる事にしました。その時車内にあったのは、ロック式のトレモロユニットと、ハムバッカー・ピックアップ(当然、ビートルズの使用楽器とは何の関係も無い)が大写しになった写真がジャケットになったカセットテープ。それが、ビートルズの廉価版のアンオフィシャル楽曲集だったのです。

 初期の曲が収められているカセットでしたが、「Twist & Shout」という曲が耳に残りました。最初の感想は「これを歌っている人は面白い声をしてるなぁ」というもの。「すっげぇ声!」というものではなく、あくまで「面白い」と思った事を今でも覚えています。

 それからしばらく、その「面白い声」だけを目当てに、不思議な気分でこの曲だけを繰り返し聴いていたのです。私の初めてのビートル体験のきっかけは、楽曲の良さよりもジョンの声そのものだったのですね。

 そして数日後、実家の近くにあるコンビニにて、店内BGMから妙に耳馴れたメロディが耳に入ってきました。若々しく、勢いがあって、とにかくメロディとノリが良い。どこかでこれは聴いた事があるぞ…そうだ、これは昔ポンキッキで流れていた曲だ!しかも、恐らくこれを歌っているのはビートルズなのではないか。サウンドの感じといい、声の若々しさといい、最近聴いている「Twist & Shout」と共通する点が多いんじゃなかろうか?

 急いで実家に帰り、前述のカセットを探ってみると、果たしてその曲はちゃんと収録されていました。私を完全にビートルズの道に引き込んだ曲とは、「Please Please Me」だったのです。

 

 好きだから聴くだけ。それ以外に理由が必要でしょうか。ビートルズが昔の音楽だとか、音楽の教科書に載っているから権威の象徴だとか、そんな事は考えもしませんでした。あくまで自分で“発見”したものなので、世間の評価がどうであるとか、全く知らなかったし、そもそも知る手段もあまり無い時代でした(これはスターウォーズ手塚治虫作品にも全く同じことが言えます)。

 ただ、自分の“ビートルズ発見”の下地を作ってくれ、無理なくファンになるための手助け(前述のカセットの存在や、香月利一著『ビートルズ辞典』の貸与など)をしてくれた父には感謝しています。

 

 とはいえ、実家には赤盤・青盤のアナログとカセット2本(初期の曲を集めた前述のオムニバスと、『Revolver』に「Paperback Writer」「Rain」をプラスしたアンオフィシャル廉価版)しかなく、CD時代には全く対応しておりません。

 とりあえず、オフィシャル盤でちょっとベスト的な内容でもある『Past Masters』の『Vol.1』『Vol.2』(友人に貸しまくったせいで今ではズタボロ。ただしビートル布教には役立った)を買いましたが、この2枚だけでは湧き上がるビートル探求欲は抑え切れません。ただし、田舎の中学生が出せる金額は限られています。 

 

 そこでお世話になったのがこれ。

(以下、続きから)

 

f:id:micalaud:20131021195003j:plain 一応オフィシャルのアルバムの順番で入っている廉価版CDです。簡素な歌詞カード付き。当然対訳は無し。

 権利関係はよくわからないのですが、輸入盤扱いだったのでしょうか?一枚1000~1500円程度だった記憶があるので、高校の途中あたりまでこのシリーズで凌いでいました。今残っているのはこの3枚のみです。

 左上の白地にユニオンジャックがはためいている盤が、当時主に流通していたものです。ちなみにこの『Yellow Submarine』の元々の所有者は馬論で、私が『Abbey Road』の同シリーズと交換したものです。

 下の青空バックの盤は数年後に出たものです。それなりに売れたから、この会社が少しだけジャケを豪華にしたのかな?この頃にはオフィシャルを買い始めていたので、殆ど記憶にありません。

 右上の赤盤の二枚目に関しては何故持っているのか全くわからないレベル。誰かが私の実家に置いていったのでしょうか。

 

 さてそんな最中、誕生日プレゼントだったか、英検に合格したご褒美だったかで、母が生協で10枚組のコンピレーション?を注文してくれました。当然オフィシャルではありません。

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 それはこの適当すぎるジャケットを見ればわかっていただけると思います。上記の盤のように廉価で売られていたものですが、収録曲はリリース順を全く無視してランダムに組み合わせてあります。しかも何故かホワイトアルバム以降の曲は収録されていません。謎です。

 歌詞カードは上記のものよりちゃんとしたフォントのものが付いています(対訳は当然ありませんが)。帯には解説も付いていると書いてありましたが、序文程度の短い歴史紹介のみ。

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 こうして改めて見てみると、いかに適当かがわかります。「I Want to Hold Your Hand」の青く激しい叫びを聞いた後に、「Sgt. Pepper~」のディストーションギターが鳴り響く違和感!音自体も、上記のアルバム廉価版よりも悪かったような…。

 このシリーズはバラ売りもされていたようで、このVol.4を持っていた友人もいました。妙に有名曲が集中していたからでしょうか。そいつはやたらと「Good Morning Good Morning」の話をしてくる人間だったので、「何であんなわかりにくい曲の話ばかりするんだろう?」と少し不思議だったのですが、この盤を持っているからだと後に判明するわけです。ちなみにジョンのソロの廉価版ベストも買ったらしく、「女は世界の奴隷か!」の事もよく話題に出していました。変わった中学生だ…。

 後に次々にオフィシャル盤を買い、ましてリマスター盤が出揃った現在、もはやこのCDを持っている理由も無いのですが、せっかく贈ってもらったプレゼント、処分する理由などどこにもありません。現在でも大事に実家に保管してあります。

 

 さて、そのCD10枚組を買ってもらったのと同時期に、近所のCD店の店頭にこんなものが並びました。

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 見てお分かりの通り、当然オフィシャルではありません。かといって、前述のような廉価版でもない。今まで聴いた事のないアウトテイクや未発表曲が入っている、つまり海賊盤でした。ブートレグが堂々と一般のCDショップの店頭に並んでいたわけです。

 この『アンサーパスド・マスターズ』、以前SOさんとお会いした際にこの盤の話題を出した時に「あ~、あれね!」という反応が返って来た事を思い出します。ビートルズ・ファンの中でも有名な、ビートルズ・ブートの入門編とでも言うべき内容のようです。

 まだオフィシャルの曲も全て聴いた事がない状態でしたが、内容はとても興味深く、興奮した事を覚えています。アンソロジーが出る前に「How Do You Do it?」や「One After 909」初期バージョン、「12 Bar Original」(アンソロジー版はエディット・バージョン)「That Means a Lot」「If You've Got Trouble」などを知っていたのは、このブートを持っていたからです。

 ジャケは、上手いんだか下手なんだかよくわからない4人のイラストに、必ず裸のお姉さんの絵が加えられていました。こっちは4人のものより更に出来が微妙だったので、いくら中学生といえどまったくエロ成分は感じませんでしたね…。

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 特にホワイトアルバムのセッションを収めたVol.4が一番好きだったなぁ。最初に買ったのがこれなんですが、「What's the New Mary Jane」のエキセントリックさがとにかく怖かったです。ヨーコの叫び声とか、変なSEとか。「Not Guilty」のハードな音や、ジョージの物悲しいヴォーカルも何となく怖かった。今考えると、ホワイトアルバムは何となく狂気を感じる作品ですね。このアルバムの曲は真夜中に録音されることが多かったから、ちょっと怖い曲が多い…と分析していたのは誰だっけ。

 ちなみにVol.5までしか持っていませんが、全部でVol.10まであったと思います。5以降は全て『Get Back』セッションのものだったので、そこまで購買意欲がそそられませんでした。この未完のアルバムのセッションが険悪かつ散漫だったという事は、Vol.5で大体わかってしまったので。

 一応それっぽい解説付き。

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 数曲がアンソロジーにも未収録。特に「ブライアン・エプスタイン・ブルース」はちゃんとした音で聴いてみたかった気がします。ここに収録されているテイクも、遥か彼方から聞こえてくるような音で状態が悪いので。

 今見直すと、解説を書いている人の名前が気になります。

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 「K.SUZUKI」…鈴木慶一!?(そんなわきゃない)

 ライブのブートCDのチラシが挟まっていました。

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 ビートルズに限らず、結構な数がラインナップされています。上京した後に何枚か中古盤ショップで買ったなぁ。

 

 この後、2000年にとあるきっかけからビートルズ熱が再燃するまで(当然現在もずっと継続中)、中学時代ほどビートルズ作品を熱心に集めなくなってしまう私ですが、だからこそビートルズ原体験の時期に手に入れたこれらのCDの数々は、強く思い出の中に残っています。