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(Revenge of the)United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

ハジニュー

Harrisongs Japanese Music Music from Overseas

 前回記事にした会合の中で、先輩方に訊かれたのが「私にとってのジョージのニューアルバムはどの作品だったのか?」という事。

 初めて買ったジョージのソロアルバムが『Cloud Nine』だった事は何度も書いていますが、新譜をリアルタイムで買ったというのならばこの作品になってしまいます。

Brainwashed

Brainwashed

 

 『Brainwashed』

 言わずと知れた、ジョージの死の一年後に発表された遺作です。

 私がビートルズのファンになった後に出たジョージ関連作品としては、『Live in Japan』とTraveling Wilburys『Vol.3』(こっちはギリギリ)がありますが、どちらもリリースされたこと自体を知らなかったと思います。ネットが普及していない時代、田舎の中学生が得られる情報は限られていました。

 『Cloud Nine』からウィルベリーズの時期の充実した活動以降、ジョージはアンソロジー・プロジェクトに関わった事と『All Things Must Pass』の新世紀リマスターエディション(ちなみに「My Sweet Lord (2000)」は大好きです)を発表した以外は沈黙してしまいます。それだけに、初めて新譜として聴く『Brainwashed』は感慨もひとしおでした。

 最初は「あれ?ちょっとパンチが弱いかな?」などと甘っちょろい事を考えておりましたが、聴き込む度にジョージらしい優しく美しいメロディを実感できるようになり、今では“無人島レコード”に指定するほどお気に入りの作品です。

だぶん むじんとうレコード物語 〔by ラウド〕

 これだけジョージの音楽を愛しているのに、新作として聴けたアルバムが一枚だけというのは悲しい気もしますが、それも私らしいかなと思っています。ビートルズ・ファンとしては“谷間の世代”なので、最後の最後に間に合えただけまだ良かったのではないか、と。

 

 

 ついでなので、ジョージ以外にも私が特に強く影響を受けたアーティストの“初めてのニューアルバム”を紹介したいと思います。

 最初に買ったアルバムが再結成作、もしくは1stアルバムだったものは除きます。

 以下、続きから。

 

 

 

The Beatles

Live at the BBC

Live at the BBC

 

『Live at the BBC』 

  当然、私が生まれた頃にはとっくに解散していたバンドなので、厳密に新作と呼べる作品と向き合った体験はないのですが、最初に立ち会ったニューリリースはこれでした。

 ただし、買った当時の事が殆ど記憶にない…個人的には、翌年の『Anthology』、というより“新曲”「Free as a Bird」に胸を高鳴らせました。しかも最初に耳にしたのは、学生服を買いに行った店でかかっていたラジオから。ヴァーチャル60's体験を少しだけ出来た気がして、とても良い思い出です。

 

大滝詠一

恋するふたり

恋するふたり

 

「恋するふたり」

 この人も「当時は現役で活動していた」と言ってしまっていいのかどうかは怪しいけど…アルバムではなく、シングルですがここに入れました。

 最初に流れたのはフジテレビのドラマ『東京ラブ・シネマ』 のオープニング。主題歌になる事を予め知っていた私は、初回放送時にテレビにライン接続し、MTRでテレビ・ミックスを録音。そのMDを狂ったように繰り返し聴いていました。ビートルズの「Free as a Bird」同様、期待通りの曲で嬉しかったです。ナイアガラーには「薄味」「才能の枯渇が丸わかり」とあまり評判がよろしくないようですが、春らしい多幸感に満ち溢れたメロディとアレンジが大好きな一曲。

 この年の正月の新春放談(『山下達郎 Sunday Song Book』)にて、山下氏の催促に「3曲は出来るよ。3曲作りゃいいんでしょ?」と答えていた大滝氏。まさかの有言実行に驚いたものです。まぁ、3曲じゃなくて1曲でしたが…。

〔追記〕改めて確認したら、「3曲」じゃなく「4曲」って仰ってますね、大滝師匠。山下氏の「『Niagara Tringle Vol.3』なら作れるんじゃないですか?一人4曲作ればいいんだから、やってやれないことはないんじゃないですか?」(大意)という振りに対しての回答だったようです。

 しかしジョージ同様、最初に買った新作が遺作になってしまうとは。

 

 Yellow Magic Orchestra

RESCUE/RYDEEN 79/07

RESCUE/RYDEEN 79/07

 

「Rescue / Rydeen 79/07」

 YMOで思い出すのは、“小江戸”と呼ばれる近隣の街で行われた他校の吹奏楽部との合同練習。友人とこっそり抜け出し、CDショップに寄ってそのまま帰ってしまった事がありました。その時に買ったのが編集盤『X∞Multiplies』です。

 しかしこの時は「Rydeen」を聴けただけで満足してしまい、特に継続してYMO探求はせず、直後の再結成盤『Technodon』もアンテナに引っ掛からず。YMO再結成の1993年は人生に残る暗黒の年だったので、それどころではなかったというのが正直なところでした。Playerやギターマガジンの影響で、今でもあまり好みではないメタル系音楽を聴くという苦行にチャレンジしていた事もその原因の一つかもしれません。

 YMO熱が本格的に高まったのは2003年のソニーでの紙ジャケ再発。YMOを軸に色々な音楽を聴き始めたのはここからで、我々スピサンの方向性もこの時に決まったような気がします。

  その後、Sketch Showでの共演を機に三人での活動が再開しますが、アルバムとして音源を残してくれなかったのが残念です。このシングルも、個人的には特に熱狂することもなく「新譜だから買わなきゃ」という義務感で購入したことを覚えています。

 

Moonriders

ムーン・オーヴァー・ザ・ローズバッド

ムーン・オーヴァー・ザ・ローズバッド

 

『Moon Over the Rosebud』

 ライダーズも本格的に集め始めたのはデビュー30周年の再発から。我ながらレコード会社のプロモーションに乗せられやすい人間だと思います。

 再発アルバムを買うので精一杯だったはずなのですが、当時の新作であるこの作品を買ったのは「お、若々しい!新鮮!」と思ったからでした。タワレコ秋葉原店で流れる「Cool Dynamo, Right on」を耳にして、すぐさまレジに持って行ったのです。

 かしぶち氏の訃報の際に記事を書きましたが、曲がりなりにもライダーズを語れるようになったのはこのアルバムに心酔したのが全てのきっかけですね。ファンや評論家の方々からは異論が出るでしょうが、私は今でもこのアルバムがライダーズの最高傑作だと思っています。

 

Pet Shop Boys

ヴェリー

ヴェリー

 

『Very』

 我慢してメタルを聞いているのが馬鹿馬鹿しくなっていた高校時代。軽音部もいつの間にか退部させられていたせいもあるでしょう(勝手に吹奏楽部の部長に選ばれていた)。無理して音楽を聴かず、楽しみたい。あの頃はそんな気分でした

 彼らの音楽を聴いたきっかけは忘れましたが、確か中学時代にバンドを組んでいたメンバーのお姉さんがファンだったから、という事でペット・ショップ・ボーイズという名前を覚えていたのだと思います。打ち込みのシンセポップだという話もどこかで聞いた記憶もありますし、当時フジテレビが中継していたアルペンスキーの番宣で「Go West」がヘヴィ・オンエアされていた事も当然要因の一つとして挙げられるでしょう。

 TM Networkで音楽を聴き始めた私には、彼らの音楽は非常に親和性が高かったのだと思います。全て素晴らしい出来で捨て曲無し。夢中になって聴いていました。高校までの長い通学路、このアルバムの収録曲をイヤフォンで聴くと、味気なく退屈な風景が色付くような感覚すらありました。

 それ以来ずっと新譜は欠かさずに買っていますし(ベストやリミックス盤は除く)、決して熱狂的に信奉しているというわけでもないのですが、ファン歴自体はなかなかのものになってきました。例えマンネリと揶揄されようが、あのクリスの声とポップでありながらも憂いのあるメロディがあるだけで、私はいつでも高校時代の気持ちでいられる気がします。これはもう一生変わらないでしょう。

 

Oasis

ザ・マスタープラン

ザ・マスタープラン

 

『The Masterplan』

 97年、当時私などより遥かに洋楽に精通していたyuz氏に、「ビートルズが好きならOasisも聴いておけ」と繰り返し言われていました。あの時代、彼はよく私の部屋に遊びに来てくれていたので(そういえば、長野五輪も私の部屋でよく一緒に観たなぁ…)、その度にそのアドバイスを聞かされるわけです。

 それならばと当時発表されたばかりの『Be Here Now』を(今はなき)秋葉原ヤマギワソフトで試聴してみたのですが、轟音ギターの洪水に「何だこれは!?どこがビートルズ!?」と大いに困惑。この時に一度挫折しています。

 しかし、いつしか習慣化していた土曜夜の『Be@t UK』という英国音楽番組の視聴がきっかけで、97年秋に購入したRialtoのデビュー作『Rialto』が個人的に大ヒット。「やはり俺が生きるのはビートルズを生んだUKのロックの道しかない!」と心機一転、今度こそ『Be Here Now』を購入。見事にマンチェスター・シティ好き眉毛兄弟の虜になったのでございました。

 そして、リアルタイムで買ったのがこのB面編集盤。カップリング曲ながらどの曲も明快なメロディを持った曲ばかりで、当然ながらとても気に入りました。ただ、初めて買った新作オリジナル・アルバムである『Standing on the Shoulder of Giants』は…未だに良さがわかりません。ここでOasis熱が一旦落ち着いてしまいました。ラスト2作は素晴らしい出来だと思っているので、現在のBeady Eye組が本格的にソング・ライティングに加わってからの方が好きです。

 しかしThe BeatlesPet Shop BoysOasisNew Waveと洋楽を聴き継いだ上にフットボールも好きだとくれば、英国文化に傾倒していくのはもはや自明の理でしたね。

 

Madness 

The Dangermen Sessions Vol. 1

The Dangermen Sessions Vol. 1

 

『The Dangermen Sessions Vol.1』

 Madnessは勿論友人Fに教えてもらったのがきっかけですが、 YMOの幸宏氏がアルバム『増殖』に関するインタビューで彼らの名前を出していたのを読んで以来、ずっと気になる存在でした。ちなみに細野氏はThe Specialsの名前を出していて、当然こちらもチェックの対象でしたね。

 基本的には再結成を繰り返しつつ、1999年に復活アルバムを発表したバンドなので、どこまでパーマネントな活動をしていたかというと怪しさが残りますが、このアルバムをリリースした2006年に忘れがたき来日公演を果たすなど、十分現役バンドと言って差し支えない活躍ぶりだと思います。ここから更に2作品を発表しているので、その認識に揺るぎはないでしょう。

 基本的には、クラシックなスカやレゲエ、そして60's~70'sヒットをスカ化したカヴァー・アルバムですが、このリラックスしたムードが楽しい作品です。個人的には、The Kinksの「Lola」の換骨奪胎ぶりが素晴らしく、未だに何度も聴いています。来日公演では、このアルバムから2曲(「Girl Why Don't You?」「Keep Me Hanging on」)しか演奏しませんでしたが。

Madness,madness,they call it madness...(前編) 〔by ラウド〕 

 実際、どっちの曲もオーディエンスの反応はいまいちでした。みんなやっぱりヒットパレードを求めているんだなぁ、新作まではフォローしていないんだなぁ…とちょっと悲しくなりましたね。

 

 Jason Falkner

オール・クワイエット・オン・ザ・ノイズ・フロア

オール・クワイエット・オン・ザ・ノイズ・フロア

 

『All Quiet on the Noise Floor』 

 最近彼の事をあまり話題に上げないのは、ただ単にリリースが止まっているからです。ジェイソンの所属レコード会社のオーナーである“くるり”の人、新作出すように催促しておくれ!

 レココレのパワーポップ特集をきっかけに、ほぼ全てのリリース作を揃えたのが2008年。アルバムをほぼコンプリートしたところでちょうど彼が初来日…と、この性急なまでのリスニング環境があったからこそ、一気に彼の音楽にのめり込んでいったのかもしれません。そして翌年にこのアルバムのリリース、更に再来日…と畳み掛けるようなスケジュール。ディストリビューションの関係か、寡作な彼のファンとしては最高に恵まれていたのかもしれません。

 このアルバム以降、映画サントラへの参加とCheap Trickのレコーディング及びツアーの帯同(Jellyfish時代の盟友Roger Joseph Manning Jr.と共に)しか情報が伝わってこない彼。早く新作が聴きたいです。

 Cheap Trickにジェイソンとロジャーがもっと積極的に参加するのでもいいな。もしくは、TV Eyesとは別にジェイソンとロジャーの完全二人ユニットでの作品とか。個人的に、この二人は現役ソングライターの中でもトップクラスに好きなので、このまま作品を発表しないのが惜しくてならないのです。