All my friends are pirates and they sail the B.B.Sea.
こないだスプリンターとアティテューズのCDを送って下さったSOさんから、ジョージのアナログ・ブートのエピソードをメールにて読ませて頂きました。自分にとっては未知の領域なので、非常に貴重な体験談に感謝しております。
以前書いたように、ブートレグ自体との出会いは非常に早かった私。
ハジビー - (Revenge of the)United Minds
正規盤が揃う前からビートルズのブートに親しんでいたわけですが、ことジョージとなると話は別で、2000年に起きたビートルズ熱の再発まで待たねばなりませんでした。
そもそも、上記の記事内に書いた『アンサーパスト・マスターズ』と違って、一般の店頭に並ぶはずがない代物。2000年に池袋にディスクユニオンが出来るまでは中古盤を買うこと自体が稀だったので、海賊盤と縁が遠くなっていたのが正直なところです。
私がジョージのブートを買ったのは、恐らくはこの盤が初めてだと思います。
ジョージの痛んだ喉を揶揄したUSAメディアの「暗いしゃがれ声」という見出しをタイトルにした、ジョージファンには喧嘩を売っているような盤です。ジャケットが何となく、はっぴいえんどの「12月の雨の日」のシングルジャケットを思い起こさせるようなデザイン。
当時、池袋の西武では、全国の中古レコード店がレア盤を持ち寄って行うフェアを定期的に特設会場を設けて行っていました。そこで購入したものです。観音開きジャケットのスプリンターの1stを見たのもこの催し。
池袋で買ったという確実な記憶、当時同居していた妹所有のターンテーブルがなければ再生出来なかったという事実の二点において、購入時期は2001年頃と推測。間違いなくこれが最初に入手したジョージのブートのはずです。
曲目はこんな感じ。
ビリー・プレストン、トム・スコットの曲は無し。曲数といいかなり適当です。
これが最初に買ったジョージのブートだ!と自信を持って高らかに宣言出来ないのには理由があって、この盤に針を落としたのはたったの一回のみ。最初のプレイの段階で音飛びが酷く、片面を聴いている途中で諦めてしまって最後まで聴いておりません。
そういった理由から、このレコードに関する思い出が殆ど残っていないのです。
アナログブートはこれしか持っていないので他のヴィニールと比較が出来ないのですが、この写真を見るだけでも明らかに溝が浅く、それは針飛びもするだろうな、という感じ。
では何故アナログを買ったのか。理由は簡単で、これが私にとって初めて出会った北米ツアーの音源だったから。まさかCDのブートが存在してるなどとは知らず、何よりもジョージが74年のライブでどのような音を鳴らしていたのか、とにかく早く知りたかったのです。
針飛びだけではなく、録音状態もあまりよくなかったような気がします。少なくとも、この時点ではジョージの北米ツアーがどういったものであるかは全くわかりませんでした。決して安い品では無かったはずなのですが…。
ちゃんとジョージのダークホース・ツアーを聴いたのは、そのしばらく後。友人と西新宿を訪れた際にこれを買いました。
中古だったので、ジョージの北米ツアー音源としては入門編といった存在なのでしょう。オーディエンス録音ながら状態も良く、全く苦も無く聴く事が出来ます。
ラヴィ・シャンカール・パートはありませんが、ビリー・プレストンとトム・スコットの曲も1曲ずつ収録。コンパクトながらしっかりまとまっています。
ファンキーなアレンジ、ロック感溢れるジョージとロベン・フォードのギターの絡み、熱狂するオーディエンス…当時のメディアが酷評し、現在でも失敗と位置付けられているツアーの評価が俄かには信じがたいパフォーマンスがここには収められていました。
少なくとも、自分はジョージのガラガラ声と共に非常に気に入り、繰り返し聴いたものです。あれからcloud9氏達と西新宿に行くたびに何がしかのジョージのブートを買っておりますが、未だにこの盤を超える興奮を味わったことがありません。
北米ツアーに関しては、いよいよアップルボックスで映像化されるとの事。この時が遂にやってきました。その次は、きっちりとしたミックスとマスタリングでツアー音源も聴いてみたいものです。人間の欲望は果てしない…。
最後に、紙ジャケ職人(他にも何でも自分で創り出してしまう)であるSOさんの仕事ぶりを紹介させて頂きます。
こちらの期待を常に上回る素晴らしい仕事ぶり。いつも本当にありがとうございます。