(Revenge of the) United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

Too Late for Them Now

 かつて楽器店に勤務している頃、とても気になるパッケージの商品がありました。

弦楽器専用ミュート 弱音器 GG-022263

弦楽器専用ミュート 弱音器 GG-022263

 

  アコースティックな弦楽器の音をミュートして、夜間でも練習出来るようにした器具。恐らくは発売当時から変わっていないと思しきデザインと写真。裏ジャケの説明文には「この弱音器を知らないキミはオクレテいる」というような一文があり、恐らくは80年代に書かれたコピーなのだろうなぁ…と、この商品を陳列する度に考えていました。

 

 最近、著しく流行から取り残されている自分に、この「オクレテいる」という死語が実によく似合っている気がします。

 以前は芸能人の名前にはそこそこ詳しかったはずの私ですが、(このブログにも何度か書いている通り)テレビを観る機会が極端に少なくなってからはかなり疎くなっています。当然芸能ネタの話には対応出来ず、その度に年寄り扱いされる事も各所で増加中で、さすがにまずいのではないかと思い始めているところ。

 

 何故今回こんな事を書こうと思ったかというと、今年のハロウィンの狂騒が何とも唐突なものに思えたからです。ここ数年、何となく「盛り上げようとしている」ムードを感じていましたが、これほどまでの騒ぎだった記憶がありません。

 勿論、ハロウィンというイベント自体の知識は学生時代からありました。ジャック・オー・ランタンは『女神転生』をプレイする前から知っていましたし、関連商品が並んでいる光景を見た記憶も確かに残っています。とはいえ、あくまで英語圏のお祭りであり、我々日本人には関係のないものという認識。

 それでも前述した通り、ここ数年は日本にもこのイベントを定着させようという動きがあるのは実感していました。最もたるものは、地元で偶然見かけたハロウィン・イベント。我が母校の小学生達が、仮装をして通りを練り歩いていたのです。時代は変わった、と痛感せざるを得ませんでした。あれは結局お菓子をねだったりしたのか、そこまでは未だにわかっていません。保守的な我が故郷の人々は、果たしてこのような借り物の風習に上手く対応出来たのでしょうか。

 この程度ならばかわいらしいものですが、今年は各業界が着々と根回ししてきたハロウィンの日本定着化プロジェクトが遂に最後の総まとめに入った印象。メディアも煽りに煽ってあそこまでの騒ぎを仕立て上げたように感じてしまいます。

 昨年までの渋谷がどうだったのか全く記憶にないのは、テレビを観ていないせいでしょう。少なくとも私には「突然の馬鹿騒ぎ」という感覚でした。

 

 勿論、ルールを守って楽しんでいる人々を非難するつもりは全くありませんが、騒ぎの後に放置されたゴミの山を見る限り、自分は「オクレテいる」ままで十分という気分です。