(Revenge of the) United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

2016 1/3

 最近は妙にやる事が多いので、あっさり目の内容です。今年の三分の一が終わったという現実を前に、今まで買った主な新譜の感想を。

 

night thoughts

night thoughts

 

Night Thoughts / Suede

 今年初めて買った新譜CDで、再結成Suede約3年ぶりの新作。

 私の2013年ベストアルバムだった『Bloodsports』のキャッチーさから一転、タイトルどおり夜の闇に浸っていくような深みを感じる作品。静的でありながら力強く、むしろ前作よりこの方向性をやりたかったのかなと勝手に想像。

 前作は再結成第一弾という事もあって、景気良く明快。ある程度かつてのファンのニーズに応えるため、ああいう方向性にしたのかも。そういう意味では、今作が本当の意味での新たな一歩なのでしょう。

 最初聴いた時は正直「パンチが弱いかな」と思いましたが、そもそもメロディのわかりやすさを狙っていないのだからそれも当然。内容も勿論そうですが、出涸らしみたいな扱いをされる事の多い再結成バンドがこれだけ新たな意欲を感じる重みのある作品を生み出してきた事が嬉しかった。明らかにSuedeは現在進行形で前に進んでます。それは間違いない。

 ちなみに、Suedeのギタリストといえば十中八九の人がバーナード・バトラーの名前を挙げるでしょうが、実は私はリチャード・オークスこそがSuedeらしいギターを弾く人だと思っています。彼の独特でありながらツボを絶対に外さないフレージング、癖になります。

 

 George Fest / V.A.

 ジョージの息子ダニーが企画したトリビュート・ライヴを、音源&映像ソフト化。

 親友クラプトンが音頭を取った『Concert for George』は、ジョージの友人だったレジェンズを集め、入念なリハーサルを重ねて徹底的にバンド・アンサンブルにこだわった完璧なイベントでしたが、今回は主にダーニと同世代の現役ミュージシャンが集まり、非常に躍動感のあるフレッシュなステージになっています。

 ほぼ完コピで演奏を再現した『Concert for George』に比べれば結構ゆるい感じの演奏ではありますが、それでもきっちりとポイントは押さえられており、楽しい演奏です。

 出演ミュージシャンは正直殆ど知りませんでしたが、それぞれが自分達なりの持ち味を活かしてカヴァーしているのはわかりました。演奏しているミュージシャン、そしてジョージの楽曲。両方の魅力が上手くフォーカスされている。

 細かい聴き所(見所)は多くありますが、『Concert~』と違って多く女性ミュージシャンが出演しているのがポイント。「Something」「All Things Must Pass」といったスタンダードは勿論、「Bewear of Darkness」「Behind the Locked Door」「Isn't it a Pity」「I'd Have You Anytime」など女性ヴォーカルがとても新鮮に聴こえました。そして上手い女性歌手にもジョージの曲は合うのだなと。もっとカヴァーが増えて欲しいと思った次第。

 一番印象的だったのは、ブランドン・フラワーズ(The Killers)が(ジョージのオリジナル曲でない)「Got My Mind Set on You」をカヴァーした理由を「自分達の世代が初めて体験したビートルズのメンバーのヒット曲だったから」と言っていた事。時代の移り変わりと、同世代のシンパシーを感じました。

 

DEBUT AGAIN(初回生産限定盤)

DEBUT AGAIN(初回生産限定盤)

 

 デビュー・アゲン / 大滝詠一

 ニューアルバムと言っていいのかどうかはわかりませんが、ともかく新譜です。

 少なくとも故人は意図していなかったであろうリリース。「死んだら後はご自由に(大意)」というようなコメントは残していましたが、当然リリースの報に諸手を挙げて喜んだファンはいないと思われます。複雑だけど、でも買わねば…恐らくは皆少々後ろめたさと罪悪感を覚えながらも、欲求を抑えきれず購入したのではないかと勝手に推測。

 勿論私もその一人でしたが、内容が悪いわけないんですよね。明らかにガイド・ヴォーカルのクオリティな曲も散見されますが、それすらもチャーミングに聴こえる。この作品を聴く事によって、自分はどうしようもなくこの人の歌声が好きなのだと再確認してしまいました。歌が上手いかどうかは関係なく、この声は自分にとって唯一無二のもの。どうやっても抗えないのだな…と。

 当然ながら既に全曲(特典ディスク除く)知っているわけで、一緒に歌いながら聴き始めたわけですが、「Tシャツに口紅」の転調部分で声が詰まって出なくなりました。感極まったのは故人の不在を実感したからではなく、単純に曲の良さに改めて気付かされたからです。それは松本隆の詞も含めて。そこまで過剰な反応が出た事に、自分自身非常に驚きました。

 オリジナル歌手の魅力も俯瞰出来る作品でもあり、特に小林旭薬師丸ひろ子の上手さを再確認。様々な角度から楽しめるアルバムである事は間違いありません。

 

Bang Zoom Crazy, Hello

Bang Zoom Crazy, Hello

 

 Bang, Zoom, Crazy... Hello... / Cheap Trick

 まだ1回しか聴いていないので、また改めて。

 2009年リリースの前作であり名盤「The Latest」のように、初めて聴いた瞬間から心を鷲掴みにされるような感覚は今のところありませんでした。ギター・ソロが長い曲が多く、パワーポップよりHR寄りのアプローチになっているのかも。

 バン・E・カルロスの後釜ドラマーはてっきり彼の息子かと思っていましたが、ギタリストのリック・ニールセンの子供なんですね(ダックス・ニールセン)。体調の問題で脱退したのかと思いきや、実は結構ドロドロしているようで。

 ちなみに前作の感想はこちら。

blog.goo.ne.jp

 あれから7年経ちましたが、聴く度に楽しくなる最高のロック・アルバムです。パワーポップの名盤としても五指に入るかな、個人的には。

 

Super

Super

 

 Super / Pet Shop Boys

 まだ封も開けていません。機会を改めて。