(Revenge of the) United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

2015 Music of the Year

 例年通りやります。邦洋混合のランキングのみ。

 

 

アルバムBest10

 

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1. Alone in the Universe / Jeff Lynne's ELO

 『Zoom』以来14年ぶりの新作は、ジェフ・リンのメロディメーカーとしての才が極限まで研ぎ澄まされたかのような、完璧な復活作。彼個人の作品集といった趣だが、熟成された旨みが素晴らしい。

 周囲からの高評価に押される形で購入。最初に聴いた時は少し地味だと感じたが、聴き込むほどに滋味を増すアルバムだった。豪華なジャケットワークも美しい。 

 

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2. Recreational Love / The Bird and the Bee

 オリジナル作としては2008年以来。待望の新作は、また2人が高いレベルへと移行した事を感じさせる充実振り。ジャズやワールド・ミュージックのエッセンスを、エレクトロ・ポップに効かせる高度でお洒落な音楽性は更なる深みへ。リード・トラック「Will You Dance?」は今年発表された全ての曲の中でも1、2を争うくらい好き。

 

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3. Music Complete / New Order

 ピーター・フック脱退で危惧された彼らの方向性は、果たしてメロディとエレクトロ・サウンドの強化という事に相成った。ダンス・ミュージック度は増しているが、彼らのリスナー暦が浅い私としては「これぞまさにNew Order」といった感の強い、とても安心して聴ける盤。ジョニー・マーとのElectricと世界観が共通している、というのが個人的印象。

 

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4. G / minus (-)

 突如として再会した、森岡賢と藤井麻輝のユニット2作目。5曲とミニアルバムの体裁ながら、両者の才能が錆び付いていない事を理解するのには十分。EDMなどの昨今のクラブ・ミュージックの音を活かしながらも、あくまでメインは彼らのルーツであるエレポップやニューロマンティック

 

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5. 全開恋心!! ~Missing You~ / Deen

 精力的な活動を続け、今年は8cmCDでのシングル・リリースも話題となった彼ら。アルバムは、明快で優しいメロディが多数収められた快作となった。ベテランながら歌詞の内容も大幅に若返り、今後の飛躍も予感させる。

 

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6. The Magic Whip / Blur

 グレアム・コクソン脱退後の彼らからは興味を失っていた私。Gorillaz色が濃かったらついていけない…という心配が杞憂に終わった、見事な復活作。あの頃と、今。見事に渾然一体となった現在形のBlurが、このアルバムには確かに存在している。ブリットポップ時代のファンが聴いても、きっと楽しめるはず。

 

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7. California Nights / Best Coast

 2年前から聴きたいと思っていたユニットだったが、今年ようやく新作のタイミングと合致して購入。リヴァーヴの効いたギターが厚く重ねられた中を、パワフルでクリアーな女性ヴォーカルが駆け抜ける。キャッチーでフックのある曲が多く、3分台でコンパクトなのも非常にグッド。

 

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8. Every Open Eye / Chvrches

 1stで話題になった彼らが、更なる成長を見せた2nd作。キャッチーさにこだわりが強かったように思える前作より、個人的にはこっちの方が好み。街角でもこのアルバムの収録曲を耳にする機会が多く、日本のマスにも受け入れられてきたか。“あの頃”を強く意識させるシンセの音作りも健在。

 

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9. Lovetap! / Smallpools

 若さが溢れる、アメリカンな爽快ポップが炸裂。シンセの使い方にパワーポップ感も有り。これまた、ほぼ2~3分台の曲でスピード勝負。これくらいしっかりとポップさに徹した作品は、久々に聴いた気がする。彼らの今後に大いに期待。

 

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10. Girls in Peacetime Want to Dance / Belle and Sebastian

 ネオアコだと思って買ったら、エレポップ楽曲が多くてビックリ。だが、曲作りのクオリティは非常に高い。女性ヴォーカル曲が挟みこまれるのも良いクッションになっており、飽きさせない。手抜きゼロの良作。

 

 今年もこれ!というダントツで1位に選びたくなるような作品は無かったのですが、買った新譜は高いレベルで均衡していた印象です。ここに選んだ10枚はどれも同じくらい好きなので、ランキングではなく“今年のアルバム10選”というつもりで認識して頂きたい。

 ELO(というかジェフ・リン)を便宜上1位にしたのは、聞く度に新たな味が発見出来る“伸びしろ”を加味したのが理由です。ビートルズっぽすぎてどうかな、と最初は思ったのですが、とにかく曲のクオリティが高い。更に、ジョージやロイ・オービソンといったかつての仲間のスピリットが確かに感じられ、受け継いでいくのだという気概も感じました。リン自らがプロデュースしてきた大物ミュージシャンの作品の、種明かしや答え合わせをしている感も強く、不思議で楽しい感覚にも。

 リイシューはこの記事には含みませんでしたが、ようやくThe Specialsスペシャル・エディション化。待ちに待った再発でした。他には特筆すべきトピックはありませんでしたが、来年は『George Fest』の音源化・映像化が控えています。まさかソフトとしてリリースするとは思っていなかったので、楽しみですね。

 

 個人的な音楽活動としては、2008年以来久々に曲を最後まで作りました。断片でならいくつも試していましたが、通して作ったのは本当にスピサンの作品以来です。アレンジがあまりにも酷すぎて、デモでも聞かせられる状態ではありませんが、特にせっつかれる事もないので自分なりに続けていこうと思います。

 明るいニュースは特に無かった年でしたが、それでも日付が変わって新たな年になれば、気体をしてしまうのが人間というもの。記事数が少ない一年でしたが、それでもこのブログにお付き合い頂きありがとうございました。皆様、良いお年を。