(Revenge of the)United Minds

Talkin' 'bout Music, Football(JEF United Chiba) and More.

See Your Bookshelf (Part.1)

 今までも折に触れ行ってきた古文書発掘企画。今後は更新ネタに困った際のため、定期的に行ってみたいと思う。ちなみにタイトルはジョージの「See Yourself」のもじりなのだが、説明しなければ誰にも気付いてもらえないだろう。

 

 日本史に興味を持ったのは小学校の授業で取り上げられるよりずっと前、小学2年の時だという事は覚えているが、そのきっかけが何だったのかは最早判然としない。だが、始まりの一冊だけははっきりと覚えているし、物の入れ替わりの激しい我が実家でもそれは奇跡的に現存している。

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『日本の偉人 まんが伝記辞典』(学研)

 80'sキッズのマストアイテム、学研発行の学習まんがシリーズだ。この一冊が、私を日本史の世界へと誘った出発点となった。今年の大河ドラマの主人公が、かなりの大きさで自己主張している上、昨今では常に別格の扱いでスポットライトを浴び続ける土佐出身の脱藩浪士がいないのも今となっては珍しい。

 

 長い年月の経過、そして繰り返し繰り返し読んだ事によるダメージが、確かに本全体に色濃く刻まれている。

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 補修テープを貼り、タイトルまで書いてくれた親に感謝。

 

 ちなみに私にとっての日本史関連本2冊目が、以前紹介した年号暗記本だ。

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 漫画から考えるとなかなかの飛躍だが、自分の中ではどちらも面白い読み物という点は共通しており、全く違和感はなかった。

 閑話休題。数年後、この漫画の世界史編も買ってもらい、そちらも愛読していたはずなのだが、何故か手元にはもう存在しない。引っ越しの際に紛失してしまったのだと思われるが、今更ながら再読してみたいと思っている。

 

  さて内容だが、「歴史に残る人びと」「文化を広めた人びと」の2項に別れており、大まかに政治・軍事で功績を挙げた人々と、学問・芸術で功績を残した人々でページを二分している。

 人物のチョイスも良い。真の意味で、現在の歴史に直結する人材が紹介されている。歴史ドラマ等の創作物は勿論、教科書でも扱いが何故か軽い偉人ばかり。

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 光明皇后本阿弥光悦、玉川兄弟、関孝和本居宣長間宮林蔵高峰譲吉白瀬矗岡倉天心などの名前を憶える事が出来たのは、この漫画のお陰である(と同時に、これ以降詳しく調べる事もしていないのだが…)。現在の本だったら、近藤勇や武智半平太、直江兼続などにページを取られているかもしれない、というのは穿った見方だろうか。

  やはり最初に読んだ歴史本だけあって、受けた影響はあまりにも大きい。

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  木戸の最期の瞬間、と聞いて真っ先にイメージするのは、未だにこのコマである。いつぞや歴博での木戸孝允展を訪れた際も、勿論この絵が頭の中に浮かんでいた。

 

 かつてこの記事で、思い入れ過剰な文章を書いたのは、まさにこの写真と全く同じ姿を見る事が出来たからだ。

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 しかし、小学校2年生の時に何度も繰り返し読んだ『日本の偉人まんが伝記辞典』に載っていたその墓を、遂に自分自身の目で見る事が出来たのだ。

 沈鬱に佇む墓塔を写した、薄暗い写真。“源頼朝”の頁の最後に載っていた写真だ。忘れようもない。

 時を超え、自分の歴史好きとしてのルーツに立ち返ったようなある種の達成感を感じて、しばし感慨に耽った。

 こうやって見てみると、白黒ながら写真はそれなりに明るく、「沈鬱な墓塔」という表現は大袈裟だ。訪問当日に受けた印象が記憶にバイアスをかけてしまったのだろう。

 そういえば、伝承や創作めいた説を多く取り上げているのもこの本の特徴で、弟の義経のページの最後はチンギスハン説を基にしたイラストで〆られていた。これが許されたのも、今より大らかな時代だったからなのだろうか。

 

  そういった意味では、間違いなく、の本では書けない文言。

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  この人物のWikipediaを見てみると、同じくこの漫画で取り上げられている高峰譲吉とNYで会った事があるらしい。

 

 この作家を題材に卒論を執筆する事になろうとは、当然この本を読んでいる時に想像出来るはずもなく。

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  私もこの女子と同じように、「大人になったら、鴎外の作品を読んでみ」たわけだ。今この鴎外のページを読み返してみると、やけに淡々とした内容でいまいち話をまとめ切れていないのが気になる。ネタ切れだったのだろうか。

 余談だが、この作者先生は早稲田大学出身らしく、大隈重信のページでは冒頭と最終コマに自身を登場させ、「バカ田大学校歌」を歌う主人公たちを「そんな歌詞で歌ったら大隈先生が悲しむぞ!」と叱り飛ばしたりと、強い思い入れを露にしている。

 

 やはり幼少時に繰り返し繰り返し読み込んだ本の記憶は消えず、その後の人生の指標に少なからず関わりを及ぼしていると実感する。