(Revenge of the) United Minds

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True Kamakurars

 ウイルス禍の影響を受け、中断期間のあった2020年『麒麟がくる』。更にそのしわ寄せで通常よりも短い期間で完結した2021年『晴天を衝く』。社会情勢と無縁ではいられなかった大河ドラマの系譜は2022年スタートの『鎌倉殿の13人』へと引き継がれ、年明けと共に例年通りのスタートとなった。

 ただし、感染者が激増している現状を鑑みると、今回も撮影中断は現実的に十分あり得る気もする。出演者やスタッフの無事を祈っている。

 

 さて、以前「自室から数冊の本が発掘された」とこのブログに記した。

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micalaud.hatenablog.com

 上記画像内の本は重なっていて分り辛いが、右から2冊目に置いてあるのが『源平ものがたり』というタイトルの本であり、その名の通り源平合戦の行く末を平治の乱からカラフルな写真入りで紹介したものだ。

 先日、今年の大河ドラマ初回鑑賞後に久々に手に取ってみたが、発行は2005年となっている。間違いなく、この年放映された大河ドラマ義経』に便乗して発売されたものだろう。状態の良さから考えると古本ではないはずなので、恐らく私もその商法に乗って当時買ったのだと思われる。ただし、その際の記憶がほぼ消失しているのだが。

 読むどころか、存在自体を忘れたまま我が部屋の片隅で眠り続けていたこの本だが、17年の時を経てその役割を果たす時が遂に再びやってきた。改めて、しっかり読んでみたいものである。

 

 余談だが、『義経』が2005年放映の大河ドラマだと即答出来るのには理由がある。それは、同年遂に完結を迎えた『スター・ウォーズ』シリーズの最終作、 『エピソード3 シスの復讐』と相通じる構図があり、何やら偶然とも思えずに両作を重ねて観ていたからだ。

 若々しい美男子で、武芸に秀でた天才的戦略家であり、世間知らずなところも目立つ義経。そんな彼を、自らの権力を絶大なものとする手駒として利用する事を企み、甘言を弄して操ろうとする後白河法皇。まるでアナキンとパルパティーンを見ているようであり、非常に印象的な記憶として刻み込まれている。

 義経という人の歴史的な位置付け等は置いておくとしても、幼少期から彼を主人公とする物語を読んでいたり、大学に入って初めて真面目に受けた講義が彼をテーマにしたものであったりと(1年の時はこの講義を始め、学ぶ事が非常に楽しく大変に充実していた)、個人的に思い入れの深い人物だ。

 

 鎌倉は気軽に行く事の出来る古都であり、前身ブログ時代にも度々訪れた。鶴岡八幡宮を始め、観光客が多数訪れる古社名刹も勿論魅力的だが、個人的には我が故郷を彷彿とさせるような長閑な自然の中に在る重要史跡に魅力を感じている。

 最後に記事にしたのは、もう12年前。干支が一周してしまった。

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 先輩のガイドで、鎌倉幕府の全盛期ではなく終焉の舞台を辿る事になり、とても思い出深い旅となった。今年の大河ドラマの時代背景とは真逆の時期であるが、初回鑑賞後に真っ先に蘇ってきたのはこの時の記憶である。

 鎌倉という都市が歴史の中心地であったが故に、そこには一つの時代の始まりだけでなく、終わりも確かに刻まれているのである。それはまだまだこの街を探る意義があるという事だ。

 前述記事を書いた2010年、別件を含めると2~3回は彼の地を訪れていたようであり、2007年から毎年1度は足を運んでいた。それ以降一度も再訪していないのは、翌年の3月11日の出来事が無関係ではないと思われる。あまりの動揺に、そこで一旦気持ちがリセットされてしまったのではないだろうか。この年以降、徒歩がメインの移動手段となってから身近な都内に様々な史跡を見つけるようになり、そちらに興味の対象が移ってしまった事も理由の一つとして考えられる。

 それでも冒頭画像の本を発掘してからは、(今年の大河ドラマとは一切関係なく)鎌倉への想いが再燃し始めていたのだ。目的地を決めずにふらっと訪れ、あてもなく歩き回った先で出会った歴史の名残を記事にしてみるのも面白いのではないか…と思っていたが、とてもそんな呑気な事を言っていられるような状況ではなくなってしまった。当の鎌倉市としても、明らかに想定外の事態であろう。

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 自分の意志の通りに行動出来ない、というのは改めてストレスが溜まる。だが、それでも我慢するしかないのだ。それを怠った結果が、ここ数日の感染者急増に繋がっているのだから。

 

 現時点で大河ドラマの評価自体をどうこう言える段階ではないが、舞台を変えずに次々と出来事が巻き起こり、様々な人が矢継ぎ早に登場。コメディタッチの現代口語でフランクな印象を視聴者に与え、いつもの座組でSNS受けもしっかり狙ったフックを各所に織り交ぜていく…という、自分の中でイメージする典型的な三谷幸喜脚本であったというのが正直な感想。

 2005年『義経』、2012年『平清盛』では頼朝の挙兵を詳細に描いていた印象がなかったが、今回は石橋山の戦いも、安房への逃走もしっかり描かれるはずであり、そこは非常に楽しみにしている。

 何しろ、我が千葉県の武将達が頼朝に手を貸すのだ。こんな大河ドラマはそう滅多にお目にかかれるものではない。平氏に不満を持っていた武士達を従え、大軍に膨れ上がっての鎌倉入り。そして迎える富士川の戦いでの初勝利は、特に過剰な演出をせずとも大いに盛り上がるのではないだろうか。

 私が前身ブログ時代から繰り返し取り上げてきた千葉氏も、今回はちゃんと俳優や台詞を与えられるはず。さすがにナレーションだけで存在を仄めかされる程度の扱いではないと信じたいが…。

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 一昨年の年末にも、千葉氏宗家終焉の地を話題にしたばかり。そう考えると、『鎌倉殿の13人』は当ブログと最も縁の深い時代を舞台にした大河ドラマなのかもしれない。