(Revenge of the) United Minds

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And go where you're going to

 大河ドラマとは、当然ながら鑑賞するというのがメインの楽しみ方。しかし私にとっては、ゆかりの史跡を訪ね、感じた事をブログに記すためのきっかけ作りの場でもあります。近年は、むしろその役割の方が大きいかもしれません。

 今年は源頼朝の再興と武家政権擁立、そして北条執権へ権力移行を描いた『鎌倉殿の13人』。先月、私はこのブログにこう記しました。

 2005年『義経』、2012年『平清盛』では頼朝の挙兵を詳細に描いていた印象がなかったが、今回は石橋山の戦いも、安房への逃走もしっかり描かれるはずであり、そこは非常に楽しみにしている。

 何しろ、我が千葉県の武将達が頼朝に手を貸すのだ。こんな大河ドラマはそう滅多にお目にかかれるものではない。平氏に不満を持っていた武士達を従え、大軍に膨れ上がっての鎌倉入り。そして迎える富士川の戦いでの初勝利は、特に過剰な演出をせずとも大いに盛り上がるのではないだろうか。

 私が前身ブログ時代から繰り返し取り上げてきた千葉氏も、今回はちゃんと俳優や台詞を与えられるはず。さすがにナレーションだけで存在を仄めかされる程度の扱いではないと信じたいが…。

micalaud.hatenablog.com

 千葉常胤も上総広常もしっかりと著名な俳優が配され、重要な役回りで登場(普通に考えれば当たり前の事なのだが)。石橋山での敗戦後、頼朝が安房に落ち延びてからの様子もしっかり2回に渡って描かれました。大河ドラマで千葉県が舞台になる事は本当に希少な事なので短いようにも思いますが、それでもしっかり2回分割いてくれた事を喜びたいです。

 

 千葉常胤は雑草の天麩羅でお馴染みの岡本信人氏が、上総広常はご存知佐藤浩市氏が担当。特に後者は配役からもキーパーソンである事が窺われ、注目を浴びる事となるでしょう。なにしろ、「ちばつねたね」を予測変換すると「千葉常種」になってしまうのに、上総広常は一発変換出来る! SNS上でも話題に挙がる事が多くなりそうです。

 ちなみに、佐藤浩市氏は同じく三谷幸喜脚本の『新選組!』では芹沢鴨を演じています。三谷氏の中では、彼はそういう役回りの俳優なのでしょう。それにしても、本当に毎回同じ俳優を使いたがる人ですね。そのうち堺雅人小日向文世・西村雅彦も出てきそう…。

 

 さて、前述通り千葉氏に関しては、前身ブログ時代から何度も記事にしました。しかし、上総氏に関しては振れた形跡すらありません。史跡が気軽に行ける場所ではないので、当然の事ですが。

 私にとって上総広常のイメージは、ほぼこの漫画によるものから更新されていません。

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 この頼朝、ちょっと高校の頃の担任教師に似ているなぁ…。

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 やはり幼少期の刷り込みは影響が多大で、その後どんどん情報を更新しないとそこで止まってしまう事が避けられません。それもまた、面白いものであるのも事実ですが。

 

 閑話休題。鎌倉に広常の屋敷があったのは言うまでもないでしょうが、それよりも私が先に尋ねるべきは千葉県内にあるゆかりの地。まずは居城や屋敷跡がないものかと、安易な考えながらWikipediaに頼る事としました。

上総広常の館跡の正確な位置は今もって不明だが、1990年代に千葉県夷隅郡大原町(現いすみ市)や御宿町一帯で中世城館址の調査が行なわれ、検討が進められた[16]。

千葉県東金市松之郷の字「新山」と字「城坂」に跨る舌状台地に「新山城」址があり、広常館があったと伝わっている。 [17]

「房総志料」は、布施村(現いすみ市下布施・上布施、御宿町上布施)に館があったとの説を唱えている。

(中略)

「日本伝説叢書 上総の巻」でも、「吾妻鏡」の内容を考えるに、安房の国東條の旅館から広常の館に送られた使者が2日ほどでたどり着ける場所として、布施村以外にないとしている。ただし、村民の中には、伝承を上総景清と混同している者もいるほか、村内に実際にはないはずの頼朝の経過地を示す伝承地があるなど、混乱が見られるという。

千葉大系図」では、一宮柳沢城に広常の館があったとしている。一宮町では、これを町内の高藤山城のことだとしており、城内に一宮藩主・加納久徴が広常の功績をたたえて作った石碑がある。一方、「柳沢」を一宮に近い「大柳」の誤記ととらえ、睦沢町の大柳館のことだと考える向きもある。

ja.wikipedia.org

 東金、いすみ市(大原)、御宿、一宮、睦沢…どの市町村も私にとっては縁の深い土地ばかりであり、現在のウイルス禍で自由に行き来出来ない寂しさが改めて募ります。

 上総広常参向の回では、広常の居城として一宮町が“紀行コーナー”で紹介されていましたが、上記の通り諸説ある模様。注目したいのは、史跡として確実性の高いスポットがいすみ市に集中している事です。

ja.wikipedia.org

 昨今、年に1度は大原を訪れている私としては、これは広常に呼ばれているのではないかとすら思ってしまいました。

 大原駅では、駅前の観光センターでレンタサイクルの貸し出しを行っているとの事。徒歩では当然回れるはずもありませんが、これにより大きく可能性が広がりました。しかも電動アシスト自転車まで用意されているらしい。至れり尽くせりです。

 

 あとの問題は、大原駅からの距離という事になりますが…。

金光寺

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瀧泉寺

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布施塚の石塔

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 やはり問題は、明らかに長い距離を走らねばならない石塔です。最寄り駅は大原ではなく、隣の浪花。千葉県の駅間距離の長さは東京23区の比ではありません。それだけで旅の困難さを窺い知る事が出来ます。

 しかもGoogleMapに登録がなく、現地に着いてちゃんと史跡を発見出来るのかも疑問。レンタサイクルの返却時間は16:00と設定されており、厳しい旅になる事は間違いないでしょう。

 Google以外の地図で得られた情報を基にすると、この階段を登った所にあると考えて良いのでしょうか。

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 我が地元と殆ど変わらない風景が広がっております。つまり、近隣住民から奇異の目で見られる事が確定している、という事。

 

 しかし、史跡巡りはこういった所を探す事こそが醍醐味。拝観料を支払って有名な寺社仏閣を訪れるより、地域の人々の生活に溶け込み、時に埋もれてしまっているようなスポットにこそ魅力を感じます。

 『鎌倉殿の13人』における源平合戦終了までに来訪するのは難しいかもしれませんが、北条政権誕生までには何とか足を運んでみたいと思っています。Amazonで発見したこの本も、それまでには入手して読んでおきたいもの。

 

 サンプルの作者名表示には「夷隅民話の会」とあります。ノスタルジー&クール。この点だけで購入を決定しました。